寒い季節の最高のごちそう、金沢のおでん。
北陸は、冬になると重い雲に覆われ、雪が積もる日もあります。朝の雪かきなどが大変な季節になりますが、この時期には、山海の幸を生かした料理がとても美味しくなってきます。
特に市民の楽しみはほかほかの「おでん」。石川県は、人口当たりのおでん屋さんの数が日本一多いとも言われています(※1)。専門店はもちろんのこと、割烹料理店や居酒屋のメニューにもおでんが名を連ねています。気軽に楽しめ、バリエーション豊かな具材を味わえることから、冬の定番の味わいとなっています。
金沢おでんの特徴は、出汁の風味を生かした味わいです。醍庵では、昆布とかつお節でとった正統派の和食の出汁に、鶏ガラを加えてコクとうま味をアップさせています。金沢らしさを踏まえながら、醍庵らしい個性を出した、汁まで美味しく飲み干せる金沢おでんです。
※1 平成21年にNHK青少年教育番組部が、全国で「タウンページ」に掲載されているおでん屋さんの数を県民の人口で割ったところ、石川県がトップだったそうです。
醍庵の”金沢おでん”
盛り合わせ
金沢おでんのオールスターが揃う盛り合わせ。人気ナンバーワンです。
かに面
ずわい蟹の雌”香箱がに”。丁寧に身を出して、甲羅に詰めて、蓋をして煮込んでいます。職人さんの丹精込めた仕事が光る、北陸の冬の最高のごちそうの一つです。
梅貝
梅貝は深海にいるうま味たっぷりの貝です。近海に深い海がある北陸ならではの味わいです。お刺身でいただくとコリコリとした食感が魅力ですが、おでん種では、うま味がたっぷりで、柔らかくふっくらとした食感が魅力です。
車麩
加賀藩に仕えた包丁侍「舟木伝内」の残したレシピにも加賀麩についての記述があるなど、お麩は金沢では古くから好まれてきました。中でも、大きなサイズの車麩は加賀伝統の味わい。出汁をたっぷりと吸い込む車麩は、香りが高くあっさり味の金沢おでんには欠かせません。
赤巻き
富山県の蒲鉾は、板に乗っていないのが特徴です。昆布や赤皮(すり身を薄く延ばして焼いたもの)にすり身をのせて、巻き込んで蒸していきます。見た目が華やかなので、北陸ではお弁当の彩りなどにも登場します。