宴会コースより旬の一皿を紹介します。
能登しし肉のローストは、能登半島で獲れた猪を使った地産地消の一品です。
醍庵で使われているのは、「のとしし」のブランドを持つイノシシ肉。
甘味が強く、天然の猪ならではのうま味の濃さを感じる素材です。
ジビエと聞いて連想するようなクセの強さは感じず、食べやすさも人気です。
能登の環境を守るために
能登半島は、「能登の里山里海」として世界農業遺産にも登録されています。
周囲を日本海に囲まれ、標高の低い丘陵地帯と田園地帯が多いことから、
猪の生育にたいへんに適しています。
そのため近年では猪が増えており、農業被害が深刻になりつつあります。
適正数を維持するためには、一定数の捕獲を進める必要があります。
この猪は環境保護のため捕獲されたいのちを、有効活用するものです。
栄養分が豊富な能登の猪
能登半島は、猪の好むどんぐりなどのえさが豊富にあります。
また、気温が低いものの、北陸地方としては雪が少なく
猪は元気に駆け回れる環境があります。
そのため、生育が早く、また冬に備えて健康な脂を身に纏います。
能登の猪はうま味が多く、栄養価も高い良質な肉質が特徴です。
能登の猪を、能登の加工施設から
こうした能登の猪の魅力を伝えるため、
精肉加工のための施設が設けられています。
ここで加工されるのは、おおむね施設から20km以内で獲れた猪。
丁寧な手仕事によって、大変に良い肉質を得られます。
西京味噌の味わいと、さっぱりとしたソース
醍庵では、この猪の肩ロースを用いローストして提供しています。
甘味とコクのある西京味噌をあしらい、
丁寧にローストし、少しの焦げ目をつけることで、うま味や香ばしさを感じさせています。
やや酸味のあるソースも魅力です。
フランス料理では、ジビエにはベリーなどフルーツのソースをあわせることもありますが、
醍庵では、これを和風に解釈し甘夏のソースでさっぱりと仕上げています。
醍庵は旬の食材と丁寧な手仕事にこだわっています。